製薬・バイオテクノロジー分野における、ラット・マウスモデルの市場規模、2021年から2028年にCAGR5.5%で成長予測

ラット・マウスモデルの市場規模は、2020年には19億米ドルに達し、2021年から2028年にかけてCAGR5.5%で成長すると予測されています。同市場の成長は、研究者が治療ターゲットを特定し、検証するための遺伝子組み換えモデルの需要が増加していることが主な要因です。さらに、製薬・バイオテクノロジー分野における研究開発活動への支出の増加が、市場の成長を促進すると考えられます。また、SARS-CoV-2の病態解明のために、ヒト化ACE2(hACE2)マウスモデルの需要が高まっていることも、市場の成長を後押ししています。COVID-19の研究に役立つモデルの製造に注力している主要企業が複数あります。例えば、米国のバイオテクノロジー企業であるApplied StemCell, Inc.は、TARGATノックイン技術を用いてhACE2モデルを開発し、ワクチンや抗ウイルス剤の効果を評価したり、COVID-19の病因の重症度を評価したりしています。

COVID-19パンデミックは、市場のプレーヤーに豊富な機会をもたらしています。2021年9月には、GemPharmatech Co. (GPT)は、Biologics UK Oxford Global Conferenceに参加し、COVID-19の前臨床開発を支援するためのヒト化マウスモデルを発表しました。

個別化医療の進展に伴い、世界的にヒト化ラット・マウスモデルの需要が高まっています。Charles River Laboratories社は、個別化医療の臨床試験を支援するために、カスタムメイドの希少疾患モデルやマイクロバイオームモデルを提供しています。初代組織/細胞やヒトに近い動物モデルの必要性が高まっていることから、細胞治療における安全性、有効性、標的検証を評価するためのカスタムモデルの需要が高まっています。

タイプ別の考察

2020年は、外産種が22.6%で最大の市場シェアを占めました。これらのモデルは、ヒトのゲノム構造を正確に表現しているため、ヒトを対象とした研究に採用されています。Charles River Laboratories社などの企業は、国際的な管理プログラムを実施し、国際遺伝子標準化(IGS)プログラムのもと、近親交配したマウスとラットのモデルを遺伝的にリンクさせています。

疾患研究における利点により、近交系モデルが第2位の市場上シェアを占めています。このモデルは、経済的で、入手しやすく、均質で、遺伝的に安定しています。さらに、免疫系が発達しており、機能的な免疫系の動態の中で新薬候補の分析を行うことができます。このため、近交系は感染症の研究に理想的な選択肢となっています。

2021年~2028年の間、ノックインモデルの市場は最高のCAGRを示すと予想されます。ラットとマウスのモデルは、タンパク質の機能や構造の微小な変化の影響を調べるために使用でき、受容体シグナル伝達経路の機能的意義を明らかにするのに適していると考えられます。

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