米国の患者位置決めシステムの市場規模、2022年から2030年にかけてCAGR5.4%で成長予測

米国の患者位置決めシステムの市場規模は、2021年に7億9,510万米ドルとなり、2022年から2030年にかけてCAGR5.4%で成長すると予測されています。一般外科手術におけるアクセスの最大化とリスクの最小化へのニーズの高まり、技術の進歩、慢性疾患の蔓延、手術件数の増加などが、同市場の主な要因となっています。患者の位置決めは、効果的で安全な外科手術を行う上で重要な役割を果たします。患者の体位が適切でないと、褥瘡(じょくそう)の発生、筋肉への負担、関節の損傷、回復に要する時間の延長など、多くの合併症を引き起こす可能性があります。そのため、患者の体を可能な限り自然な状態に保ち、手術部位へのアクセスを可能にする、最適な患者位置決めシステムの必要性が高まっています。

外科手術や診断・画像診断の件数が増加していることから、今後、より優れた患者位置決めシステムの需要が高まると予想されます。COVID-19パンデミックは、米国の患者位置決めシステム市場に大きな影響を与えました。選択的な外科手術、資本プロジェクト、設置の遅れ、病院へのアクセス制限などが需要と売上にマイナスの影響を与えました。例えば、Hill-rom社は、2020年の年次報告書において、外科ソリューション・ポートフォリオを含むCOVID-19の流行により、グローバルな事業およびポートフォリオ全体で減収となったことを報告しています。しかし、同社は、2020年度の最初の6ヶ月間において、Hill-rom社の統合型手術台に対する高い需要により、この減少が一部相殺されたと報告しています。この需要は、特に非接触型患者位置決めシステムにおいて、時間の経過とともに増加すると推定されます。

米国では、慢性疾患の蔓延や人口の急速な高齢化に伴い、手術件数が増加しています。米国国勢調査局によると、2019年の米国の人口3億2,800万人のうち、60歳以上の高齢者は7,500万人と推定されています。老年人口の割合は、時間の経過とともに増加することが予想されています。これは、相当数の人口が慢性疾患や急性疾患にかかりやすくなることを意味しており、外科手術の需要拡大につながります。手術件数の増加に伴い、病院などのエンドユーザーは、患者の転帰を改善するために、より多くの特殊なテーブルやアクセサリーを購入する傾向があります。また、低侵襲手術への関心が高まっていることも、米国の患者位置決めシステム市場を活性化させる要因となっています。

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