ロボット市場：セキュリティロボット分野が2022年に25億米ドル記録

2023年から2032年にかけて、ロボット市場は堅調な成長を遂げると予想されます。これは主に、欧州と北米におけるセキュリティロボットとガイドロボットの安定した需要によるものです。フランスやドイツなどの国では、熟練した労働者の不足が、セキュリティ監視を含む日常業務に影響を与えており、その結果、ロボットの関与が増加しています。例えば、2021年6月、Westland Real Estate Groupは、米ラスベガスの集合住宅にナイトスコープの自律型セキュリティロボットを配備しました。

さらに、主要な市場プロバイダーは、ロボット市場での地位を強化するために、有意義なパートナーシップ、ジョイントベンチャー、買収に関与しています。一例を挙げると、2022年4月、モバイルロボットのグローバルサプライヤーであるGreyOrangeは、南米のコンサルティング会社であるSistemoとスマートフルフィルメントソリューションに関する提携を拡大することを発表しました。この提携により、両社は中南米でのサービスやソリューションの拡充を図ることができます。ロボット市場は、製品、業種、地域別に分類されています。

製品別に、2022年に25億米ドルと評価されたセキュリティロボット分野がロボット市場の特徴的な存在になると思われます。セキュリティロボットの需要は、その長期的な費用対効果と総合的な性能により増加しています。セキュリティロボットの需要増加に対応するため、Cobaltなどの新興企業は、オフィスのパトロールに使用されるロボット警備員を製造しています。これらのロボットは、何らかの異常を発見した時には、その旨をオフィスワーカーに伝えます。

業種別に、教育・科学研究分野が、2032年までに評価額で10億米ドルに達すると予想されています。この成長は、教育センターでスタッフや学生に食べ物や飲み物を提供するために配置されるロボットの数が増加していることに起因しています。

地域別に、市場は北米地域で急成長し、2022年には45％以上の市場シェアを占めると予測されます。この地域の市場拡大は、ホテルやレストランでの紫外線消毒ロボットや宅配ロボットの利用が増加していることに起因しています。そのほか、Covid-19をきっかけとした経済の混乱やリモートワークの設定により、より技術的な雇用が加速しており、ロボットの採用が進んでいます。

A3（Association for Advancing Automation）の報告によると、2021年1月から2021年9月にかけて、北米の工場や産業は過去最高の2万9000台のロボットを発注し、前年の統計から37％増となりました。