米国の遠隔医療市場、神経学分野が2032年にかけてCAGR13%で成長予測

米国の遠隔医療市場は、インターネットや携帯電話を中心とした技術の進歩により、2032年まで大きな成長が見込まれています。また、費用対効果の高さや成長機会の多さから、ベンチャーキャピタルからの投資も増加しており、市場拡大への弾みになると思われます。

さらに、政府の積極的な取り組みも市場の成長に寄与しています。例えば、2022年12月、米国の生殖医療部門の関連会社であるPlanned Parenthoodは、カンザスシティの診療所の1つに電話会議設備を導入し、オフサイトの医師の支援とともに、医療中絶を求める患者を支援すると発表しました。

米国の遠隔医療市場は、サービス、タイプ、専門性、構成要素、提供形態別に分類されています。

サービス別に、心肺疾患、喘息、心不全など多くの病気の検査用に、2023年から2032年にかけて遠隔モニタリングシステムが急激に成長することが考えられます。遠隔モニタリングが心臓病の治療に有効であることが研究により証明されています。例えば、2021年12月、Annals of Palliative Medicineに掲載された研究では、心血管障害に苦しむ患者の健康管理について、遠隔医療の介入が有用であることが証明されたと結論付けています。

専門分野別に、米国の遠隔医療市場は神経学分野が特徴的で、2023年から2032年にかけてCAGR13%で成長すると見られています。遠隔医療は応用範囲が広く、認知症やてんかん、神経病理、振戦などの治療に利用されており、市場拡大の原動力となります。また、この分野はCovid-19の流行時に大きな牽引力となり、神経科医が患者の治療に遠隔医療を利用しました。研究では、ビデオリンクと電話が、筋萎縮性側索硬化症とパーキンソン病に苦しむ患者を治療するために使用されていると報告しています。

構成要素別に、ハードウェアセグメントは、2022年に53億米ドルを占め、2023年から2032年の間に着実に成長すると予測されます。同セグメントの成長は、デジタルカメラ、遠隔医療カート、ラップトップなどのデバイスの使用が増加していることに起因すると思われます。

配信モード別に、高速インターネットへの需要の高まりと通信インフラへの投資の増加により、ウェブ/モバイルセグメントが今後10年間で力強い成長を遂げると予想されます。米国では、3億700万人以上のインターネットユーザーを抱え、世界第3位のオンライン市場となっています。このような傾向は、将来的に製品の需要を押し上げると考えられます。

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