建築物用断熱材市場：床用セグメントが2032年にかけてCAGR6%で成長予測

建築物用断熱材市場は、エネルギー需要の急増により、2032年まで急速に成長することが予想されています。

新興国における可処分所得の増加と、電気料金の増加に対する懸念が、エネルギー効率の高い断熱ソリューションの需要に拍車をかけています。断熱製品メーカーは、政府が支援するゼロエネルギー住宅の拡大や、手頃な価格の住宅への需要を考慮し、M&Aや製品投入などの長期的な取り組みに注視しています。

例えば、2022年9月、CertainTeedは、より軽量で切断や取り扱いが容易なInsulPureTM Fiberglass Building Insulationをリリースし、高断熱製品のポートフォリオを拡大しました。

建築物断熱材業界は、材料、用途、エンドユーザー、断熱材の形式、地域別に分類されています。

用途別に、床用セグメントが2023年から2032年にかけてCAGR6%で成長することが予測されています。床の断熱には、ポリウレタンスプレー、断熱ボードまたはEPSシート、グラスウールまたはグラスファイバー、断熱スクリードなどの主要材料が使用されており、床からの熱放散量を最小限に抑えることが出来ます。

エンドユーザー別に、産業用セグメントは、二酸化炭素排出量の削減と電気料金の上昇に対する厳しい制限の影響で、この数年間でプラスの成長が見込まれています。業界の関係者は、新しい生産設備を建設または拡張する際に、より多くの建物の断熱材を採用するようになりました。

断熱材の形式別に、発泡体セグメントは、2023年～2032年の間、堅調な成長が予測できます。発泡断熱材は、気密性を保証し、熱損失を減らすことで、欧州や北米などの寒冷な地域で有用です。

一方、その他のセグメントは今後も急速に成長することが予想されます。反射シート断熱材、ブロック断熱材、スラブ断熱材などを含むその他の断熱材は、合計で断熱材市場全体の15%以上を占めています。

地域別に、ラテンアメリカ市場は、2023年から2032年までCAGR6%超で成長すると推定されます。環境に優しい建材の使用に対する政府からの支援や、商業インフラの拡大、エネルギー効率の高い技術の導入が、同地域全体の建築物用断熱材の需要を促進しています。

一方、中東・アフリカ市場は、今後数年にわたり積極的な成長を遂げると予測されています。その主な要因には、都市化、人口増加、環境に優しい断熱材の設置を保証する建設基準や法律の変更などが挙げられます。