データセンター冷却市場:コロケーション用途、2032年に70億米ドル到達予測
データセンター冷却市場は、アジア太平洋地域におけるビッグデータ、クラウドコンピューティング、IoTの利用拡大により、2032年まで大幅に拡大すると予想されています。また、オンラインビデオやオーディオコンテンツへの嗜好が高まっていることも、同地域の市場成長を後押しするものと思われます。
データセンター冷却システムに対するニーズは、世界中で劇的に高まっています。データセンターの冷却ソリューションプロバイダーは、ネットワークコンポーネントを不導電性・不燃性の誘電体液の槽に直接浸す直接浸漬冷却ソリューションを提供しています。また、市場関係者は、データセンターを効果的に冷却し、運用コストを削減するために、最先端の液体冷却技術やソリューションに注力しています。例えば、2021年8月、IBMはSecure Access Service Edge(SASE)製品を発表しました。このソリューションは、ネットワークセキュリティを強化するSD-WAN戦略に関連しています。また、企業は、クラウドにセキュリティ ガイドラインを実装することもできます。
データセンター冷却市場は、コンポーネント、冷却技術、データセンター規模、アプリケーション、地域別に分類されています。
コンポーネント別に、ハードウェアソリューションの複雑化に伴い、専門的なマネージドサービスのニーズが高まっていることから、2032年にはサービス分野が大幅に成長すると予測されています。
データセンター規模別に、小規模データセンター部門は、2022年に25億米ドル超と評価されました。同セグメントは、エッジコンピューティングネットワークの統合が進んでいることから、2032年までに大きな成長を遂げると予想されます。また、地方におけるデジタルインフラの展開が進んでいることも、小規模データセンターの需要をさらに押し上げると思われます。
用途別に、コロケーション部門が、2032年までに70億米ドル規模に成長すると予測されています。コロケーション企業は、生産性を高めるため、エネルギー効率の高い冷却システムの導入に力を入れています。中小企業は、データストレージのニーズが少ないため、データセンターのコロケーションが一般的な選択肢となっています。
一方、ヘルスケア部門は、今後、堅調に拡大するものと思われます。ヘルスケア業界では、ユーザーエクスペリエンスの向上、生産性の向上、セキュリティ強化のため、データセンター運用をアウトソーシングしており、このことが同分野の成長を後押ししています。データセンターは、データ移行、バックアップ、ストレージ、ディザスターリカバリーなどのサービスを提供しています。
地域別に、中東・アフリカ市場は、2023年から2032年にかけてCAGR10%で拡大することが予測されています。この地域の成長は、さまざまな国でインターネット関連技術が急速に普及していることに起因しています。また、リアルタイムのユーザーエクスペリエンスを実現するために、データセンターを通じた規制や管理に必要なデータトラフィックの増加が、同地域の市場成長に拍車をかけていると思われます。