定置型蓄電池市場:リチウムイオン電池が2022年のシェア76.0%を占める

定置型蓄電池市場は、長年にわたる電池コストの低減により、2032年まで着実に成長する見込みです。

定置型蓄電システムのニーズは、送電網と相互接続された再生可能エネルギー源に対する需要の高まりに後押しされています。電力消費国は、排出ガスによる悪影響を防ぐために、エネルギー効率の高い技術を模索しています。また、エネルギー管理システムの利用を促進するための取り組みも行われています。

市場の拡大には、再生可能エネルギーを効果的に統合するスマートグリッドへの需要が影響しています。定置型電池は、設備投資の削減、資金調達の容易さ、性能の向上により、その応用分野が大きく広がっています。業界の主要企業は、革新的な製品やサービスに対する需要の急増に対応するために、研究開発に取り組んでいます。例えば、2022年1月、TotalEnergiesはダンケルク近郊で61MWのバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)施設を立ち上げました。ダンケルクIの25MWは、ダンケルクIIプロジェクトで補完されます。また、さらに2つのBESSシステムの開発にも言及し、2022年末までに完成させ、同社の蓄電容量を129MWに増やす予定であると報告しています。

定置型蓄電池市場は、電池、用途、地域別に分類されています。

用途別に、オフグリッドセグメントが2023年から2032年にかけてCAGR9%を記録すると予測されています。電池別に、リチウムイオンセグメントは2022年に76.0%以上の市場シェアを占めました。リチウムイオン技術は、鉛蓄電池と比較して、効率的かつ効果的な性能と優れたライフサイクルにより、2032年までの間、高い利益を獲得すると予想されます。一方、鉛電池の2022年の市場規模は40億米ドル超となりました。この電池の収益は、技術的な意味合いの成熟と補助的なストレージ技術の開発により、2032年末まで大きく増加することが予想されます。

地域別に、北米市場は、2022年に9.8GWの設置容量となりました。現在のグリッドネットワークのアップグレードと再生可能エネルギーシステムの取り込みの必要性が、この地域の成長を促進することが予想されます。一方、中東・アフリカの定置型蓄電池市場シェアは、今後も急速に成長するものと思われます。工業化の進展と、送電網インフラに対する官民両者の懸念が、中東・アフリカ地域の市場拡大を促進するものと思われます。

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