高純度リグニン:結合剤および接着剤用途、2030年までに800万米ドル到達予測

高純度リグニン市場は、持続可能なパッケージングへの注目が高まっていることから、2022年から2030年にかけて顕著な成長を遂げると予測されています。

環境に優しい取り組みを実施するための努力は、パッケージングを含む様々な産業でも飛躍的に成長しています。ポリ乳酸(PLA)などのポリマーは、持続可能なパッケージングシステムを構築する可能性を持っています。しかし、PLAは、より長い保存期間を必要とする食品保存用途には不向きと考えられています。

このため、リグニンなどのバイオポリマーを配合することで、PLAの限界を克服する研究がいくつか行われています。消費者の関心が持続可能性に向かっていることから、世界中で高純度リグニンの生産が促進されると予想されます。

高純度リグニン業界は、製品タイプ、供給元、用途、地域別に分類されています。

製品タイプ別に、市場は、有機ソルブ、クラフトリグニン、その他に分類されます。ソーダリグニンを含むその他のセグメントは、2030年までCAGR6%で成長すると予測されます。これは、ソーダリグニンが高分子量であることや、非木質バイオマスを利用していることなどの利点によるものです。また、このタイプの高純度リグニン化学品は、高度に凝縮され、ネイティブな結合がないため、同産業の発展にさらに寄与するものと思われます。

供給源別に、市場は、サトウキビバガス、わら、針葉樹、広葉樹、その他に分類されます。サトウキビバガスセグメントは、このリグニンセルロースバイオマス原料の改質能力により、多様な産業目的に適していることから、2021年には300万米ドルの評価額に達すると予測されます。さらに、サトウキビバガスの量が豊富である点でも、今後、市場の拡大に弾みをつけると予想されます。

用途別に、市場は、フェノール、バニリン、結合剤および接着剤、活性炭、炭素繊維、その他に分類されます。結合剤および接着剤セグメントは、リグニンが示す生物学的適合性、高強度、熱・化学・水への耐性などの有利な特性により、2030年までに800万米ドルを超える市場規模になると予想されています。また、非化石油やガス資源に基づく接着剤の需要も、同分野の発展を後押しするものと思われます。

地域別に、ラテンアメリカ市場は、2030年までに100万米ドルの収益を記録すると予想されています。食肉消費の増加と動物の健康への強い関心が、同地域の動物飼料用途における高純度リグニン材料の需要を強化すると予想されます。

一方、アジア太平洋市場は、今後数年間、高純度リグニン市場の有利な収益ポケットとして浮上すると思われます。同地域の市場開発は、バイオベース製品の活用の増加によって促進されます。また、化学ベースの製品の悪影響が重視されるようになり、グリーンリグニンベースの材料の利用が拡大すると予想されています。

本記事に関するお問い合わせ先:株式会社グローバルインフォメーション
お問い合わせフォーム:www.gii.co.jp/form/inquiry
お電話:044-952-0102
受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]