ラテンアメリカの鉛蓄電池市場、2030年までに110億米ドル到達予想
鉛蓄電池市場は、自動車分野での用途拡大により、2022年から2030年にかけて顕著な成長を遂げると予想されています。
充電式鉛蓄電池は、SLI(始動、照明、点火)などの用途で自動車に不可欠です。これは、冷えたICE(内燃機関)の回転に必要な大電流を発生させる電池としての能力によるものです。鉛蓄電池は、自動車生産拠点の拡大や自動車の販売台数の増加により、今後大幅な需要増が見込まれています。
鉛蓄電池は、容量超過を防止する必要性が低下したことで、コストダウンが進んでいます。この事は、可処分所得の増加とともに、同市場の展望にプラスの影響を与えています。
鉛蓄電池市場は、用途、構造、販売チャネル、地域別に分類されています。
用途別に、市場は、SLI、定置用、モーター用に分類されます。SLIセグメントは、発展途上国を中心とした乗用車の販売台数の増加により、2030年まで高い成長率を示すと予想されています。
インド自動車工業会の報告によると、2022年7月の乗用車販売台数は29万3865台に達し、前年の26万4442台から11%増加しました。SLI鉛蓄電池は主に自動車用途に使用されているため、今回のPV生産量の増加は製品消費量の増加に寄与することになります。
構造別に、市場は、浸水型とVRLA型に分類されます。このうち、浸水型セグメントは、高い業界シェアを占めると見られています。
これは、定置用電源や独立型エネルギーシステムなどの用途で、浸水型電池の採用が増加しているためと考えられます。また、鉛蓄電池は、バックアップ電源やグリッドエネルギー貯蔵に最適で費用対効果の高い選択と考えられています。
販売チャネル別に、市場は、アフターマーケットとOEMに分類されます。OEMセグメントは、鉛蓄電池の自動車用途のサプライヤーの増加により、2030年までに高い収益を記録することが予測されます。チューダーバッテリーのデータによると、欧州では自動車ブランドの70%がOEM電池を使用しており、このことが業界の発展にさらなる弾みをつけると思われます。
地域別に、ラテンアメリカ市場は、電気自動車の生産と販売が急増しているため、2030年までに110億米ドル規模に達すると予想されています。ABVE(ブラジル電気自動車協会)のデータによると、バッテリー駆動のEV、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車の販売は2022年前半に47%急増しており、このEV革命は、バッテリー技術の展開を加速させ、先進的な鉛蓄電池の消費を増幅させるものと思われます。