データセンター仮想化市場のBFSI用途、2030年にかけてCAGR20%で成長予測
データセンター仮想化市場は、様々な産業分野でのデジタルトランスフォーメーションへの強い関心から、2030年まで大きな収益を獲得するものと予測されます。また、エネルギー消費量の増加やデジタル技術の進歩も、今後の市場成長を促進するものと思われます。
COVID-19の流行は、ロックダウンの中でリモートワークへの世界的なシフトの結果として、市場の展望に有益に働きました。さらに、市場の主要参加者は、競争環境において優位に立つために、サービス範囲の拡大、戦略的なコラボレーションやパートナーシップの締結に注力しています。
例えば、2022年5月、多国籍テクノロジー企業であるIBM Corporationは、インテルXeonサーバーを搭載した仮想プライベートクラウド(VPC)「Citrix DaaS」の提供を開始し、アプリケーションとデータを一元化してリスクを低減し、コスト削減を実現する先進のクラウドコンピューティングソリューションとして開発されました。
データセンター仮想化市場は、タイプ、サービス、用途、地域別に分類されています。
タイプ別に、市場は、サーバー仮想化、ネットワーク仮想化、ストレージ仮想化、アプリケーション仮想化に分類されます。アプリケーション仮想化は、ITインフラのセキュリティ向上に向けた取り組みの普及により、2021年にシェア40%を占めました。
サービス別に、市場は、最適化サービス、コンサルティングサービス、マネージドサービス、テクニカルサポートサービスに分類されます。2021年は、テクニカルサポートサービスがシェア45%を占めました。このセグメントは、テクニカルサポートサービスプロバイダが、システムの故障やダウンタイムに備えて、アフターマーケットの修理やメンテナンスソリューションの観点からデータセンターをサポートするため、2030年までに大幅な利益を蓄積するものと推測されます。
用途別に、市場は、BFSI、コロケーション、エネルギー、政府、ヘルスケア、製造、IT・通信、その他に分類されます。BFSIセグメントは、2022年から2030年にかけてCAGR20%で成長することが推測されます。世界中でデジタル決済アプリケーションの利用が急増しており、BFSI分野での製品普及が進むことが予想されます。さらに、BFSI業界の企業は、進行中の市場環境に対応するため、バックエンドのITインフラの開発に注力しており、同セグメントの進展を後押ししています。
一方、製造アプリケーションセグメントは、2021年に5億米ドルと評価され、2030年まで突出した成長を遂げることが予想されます。製造業におけるコネクテッドマシンやロボティクスの採用が進み、高性能なIT&ネットワーキングソリューションの利用が増加しているため、同分野の普及が促進されています。
地域別に、中東・アフリカ市場が、2030年までCAGR10%で成長することが予測されます。同地域の小売、製造、BFSIセクターでは、クラウドコンピューティング、IoT、ロボティクス、その他の先端技術サービスの利用が広がっており、業界の成長を後押しするものと思われます。