乳製品酵素市場:トランスグルタミナーゼ、2030年に850万米ドル到達予想

乳製品酵素市場は、乳製品の消費量の増加により、2030年まで大幅な成長を記録することが予想されます。また、ライフスタイルの変化や様々な食品・飲料の摂取量の増加も、今後の市場成長をさらに後押しするものと思われます。

COVID-19の発生は、感染リスクの低減という乳製品の有益な特性により需要が拡大し、製品の普及を促しました。さらに、消費者の健康意識の高まりが市場の拡大を後押ししています。近年、主要な業界参加者は、製品ポートフォリオの改善に注力し、事業基盤を強化するために戦略的提携に注力し、市場全体にプラスの影響を及ぼしています。

例えば、2021年10月、バイオテクノロジー企業のSpecialty Enzymes & Probiotics社は、同社のImmunoSEBとProbioSEB CSC3が、国立衛生研究所(NIH)の栄養補助食品室による医療専門家向けファクトシート「COVID-19の時代における栄養補助食品」に掲載されたと発表しました。これを機に、パンデミック時の同社の立場はより強固なものとなりました。

他にも、2022年6月、食品・繊維用酵素メーカーのEnzyme Innovationは、住友化学アメリカとのパートナーシップ契約を発表し、住友化学を米国における同社の動物用飼料酵素とプロバイオティックスの販売代理店に選び、米国での消費者拡大の支援を発表しました。

乳製品酵素市場は、製品、用途、対象地域別に分類されています。製品別に、市場は、リパーゼ、プロテアーゼ、カーボハイドラーゼ(ラクターゼ、アミラーゼ、その他)、カタラーゼ、エステラーゼ、トランスグルタミナーゼ、その他に分類されます。

トランスグルタミナーゼセグメントは、2021年に550万米ドル以上と評価され、2030年時には850万米ドルを超えると予想されます。トランスグルタミナーゼは、チーズだけでなく他の乳製品の製造、食用フィルムの製造、食肉加工、ベーカリー製品の製造など、様々なプロセスでの使用を増大させた特定の架橋特性を有しています。

用途別に、市場は、牛乳、チーズ、バター、ヨーグルト、乳清タンパク質、デザートとアイスクリーム、乳児用粉ミルク、その他に分類されます。デザートとアイスクリームセグメントは、2030年までに7000万米ドル以上の市場価値になると予測されています。これは、無乳糖のアイスクリームやデザートの需要増に起因するもので、ラクターゼなどの乳製品用酵素は、二糖類であるラクトースを単糖類であるガラクトースとグルコースに加水分解することで、無乳糖または乳糖低減アイスクリームの製造に使用されています。

地域別に、中東・アフリカ市場は、2022年から2030年にかけてCAGR6.0%で堅調な成長を遂げると予想されています。同地域では乳製品酵素市場へ参入する企業が増えており、食品・飲料の消費量の増加が、製造・加工における乳製品用酵素の使用を促進すると考えられています。

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