ペット用がん治療薬：肥満細胞がんは、2030年まで急速に増加見込み

ペット用がん治療薬市場は、ペットがんの増加により、2030年まで大幅に成長することが予想されています。また、ペットの病気に対する飼い主の意識が高まっていることや、ペットの飼育率が上昇していることも、市場の拡大に寄与しています。

近年、ペットの健康に対する飼い主の意識が高まり、市場の成長が加速しています。COVID-19の大流行により、ペットの飼育数が増加しており、治療プロセスの継続的な進歩も、全体的なビジネスの成長を後押ししています。さらに、ペット用がん治療薬市場の主要企業は、ペットのがん技術における効果的な革新と戦略的な買収・提携に注力しており、業界の地位を向上しています。

例えば、2022年4月、アメリカの製薬会社であるElanco Animal Healthは、バイオテクノロジー企業のGinkgo Bioworksと共同で、動物の健康のための生物活性分子、微生物モニタリングサービス、新規プロバイオティクス、人工微生物医薬品に焦点を当てることを目的とした、新しい動物健康企業であるBiemEditを立ち上げました。この動きは、Elancoが動物医療システムで観察されるアンメットニーズへの対応に役立つことが期待されています。

他にも、2021年12月、生命科学の専門家であるQbiotics社が、イヌの非転移性肥満細胞腫（MCT）に対する同社のリード動物用医薬品であるSTELFONTAを、オーストラリア農獣医薬局（APVMA）の許可を得てオーストラリアで発売しました。同様に、2022年4月には、ペット用医薬品のAnivive Lifesciences社は、動物用医薬品メーカーのDechra Pharmaceuticals PLCが、犬リンパ腫の新規治療薬「Laverdia-CA1」のライセンスを取得したと発表しています。

ペット用がん治療薬市場は、治療法、投与経路、動物種、用途、地域別に分類されています。

治療法別に、市場は、免疫療法、併用療法、化学療法、標的療法に分類されます。併用療法セグメントは、2030年までに大きく成長することが予想されます。この治療法は、2種類以上の治療法を組み合わせることで、がん細胞を効果的に検出・除去し、ペットのQOL（生活の質）を維持することができます。

用途別に、市場は、リンパ腫、肥満細胞腫、乳腺・扁平上皮癌、メラノーマ、その他に分類されます。肥満細胞がんは、2030年まで急速に成長することが見込まれています。骨髄、脾臓、肝臓、消化器系は、肥満細胞腫の影響を受ける臓器の1つであり、今後数年間、このタイプのがんに対する治療薬の採用を大幅に促進すると思われます。

地域別に、中南米市場は、2030年まで著しく拡大すると推定されます。ペットのがんや利用可能な治療薬に関する知識の増加は、中南米地域のペット用がん治療薬にとり有益であることを証明するものと思われます。