レシチン市場:乳化性と無毒性の特徴から高品質な塗料用途で利用

レシチン市場は、機能性食品に対する消費者の嗜好の高まりにより、2030年まで力強い成長を遂げるものと予想されます。さらに、世界中で動物飼料製品の需要が高まっていることも、今後の市場拡大にプラスの影響を与えると考えられます。

食品フォーミュラに関連する厳格な研究開発活動は、製品ランドスケープに利益をもたらしています。例えば、2022年7月、エジプトの国立研究センターの科学者グループは、人体の健康的な脂肪のレベルを高めるために使用できるグミとスプレッドを開発しました。グミについては、レシチン、フィトステロール、B-カロテンなど、さまざまな機能性成分に使用できるオレオジェルを作りました。

さらに、企業は消費者へのリーチを広げるために地理的な拡大にも投資しており、ビジネスの成長にとって有利に働いています。例えば、2021年8月、レシチン市場の著名なメーカーであるThew Arnottは、イリノイ州に新しい加工施設を開設しました。この施設は、天然乳化剤の標準的な、非アレルゲン、非遺伝子組み換えの変種を加工するレシチン配合場として使用することを目的としていました。

もう一つの注目すべき例として、2021年9月、マルメに拠点を置く植物性油脂専門のAAKは、BIC International Holdingのレシチン部門、BIC Ingredientsの買収に合意しました。これにより、BICイングリディエンツの既存製品はAAKのポートフォリオに統合され、Akolecブランドで販売されることになります。

レシチン市場は、用途、製品、地域別に分類されています。

用途別に、市場は、動物飼料、化粧品、食品・飲料、医薬品、工業用に分類されます。このうち、工業用セグメントは高い市場シェアを占めており、2030年まで堅調な成長が見込まれます。レシチンの乳化性と無毒性による高品質な塗料生産による増加は、今後同セグメントの進歩を後押しすると思われます。

製品別に、市場は、大豆レシチン(遺伝子組み換え大豆レシチンと非遺伝子組み換え大豆レシチン)、ヒマワリレシチン、キャノーラレシチン、卵黄レシチンに分類されます。卵黄レシチンセグメントは、その乳化作用からマヨネーズなどの食品での利用が急増しています。

地域別に、家禽飼料の需要増により、中東・アフリカ市場の成長が増大するものと思われます。一方、ラテンアメリカ市場は、調理済み製品などの小売製品の支出の増加を背景に、2030年まで高い売上を記録することが予想されています。

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