ジシクロペンタジエン市場:ポリDCPDセグメントは2030年までCAGR4.9%で成長予測

ジシクロペンタジエン(DCPD)市場は、自動車産業における製品需要の増加により、2030年まで堅調な成長を記録すると予想されています。また、さまざまな産業におけるDCPDの利点に関する認知度の向上が、今後の市場成長をさらに促進するものと思われます。

近年、ジシクロペンタジエン市場で事業を行う主要参加者は、一般的な消費者ニーズに対応するため、研究、製品イノベーション、提供製品の多様化に注力しており、事業の成長に有利なものとなっています。例えば、2021年12月、ジシクロペンタジエン市場の主要企業であるExxonMobil Chemical Co.は、Proxima thermosetsという新しいクラスの熱硬化性樹脂を生産するために設計されたノーベル賞受賞技術を専門とするカリフォルニア州の熱硬化性樹脂プロバイダー、Materia Inc.を買収しました。

プロキシマシステムは、ジシクロペンタジエンとその他の添加剤およびコモノマーを混合することで調合され、電気自動車(EV)部品、防錆コーティング、風力タービンブレード、サステイナブル建築など、さまざまな用途に活用することが可能です。ExxonMobilは、この買収により、プロキシマ樹脂の用途を、電気自動車部品や持続可能な建設プロジェクトに拡大することを意図しています。

他にも、2022年3月、フリンダース大学のチームが行った研究により、新しいスマートコーティングが紹介されました。この新しい多機能コーティングは、硫黄とジシクロペンタジエンで作られており、コンクリート表面の水や酸による損傷、腐食、溶剤によるダメージを防ぐことができます。また、水銀などの有害金属を捕捉することもできるため、石油・ガス産業において大きな可能性を持っています。

ジシクロペンタジエン(DCPD)市場は、用途、グレード、地域によって分類されています。

用途別に、市場は、不飽和ポリエステル樹脂、EPDMエラストマー、ポリDCPD、炭化水素樹脂、COC&COP、農薬、難燃剤、その他に分類されます。このうち、ポリDCPDは2022-2030年の間、CAGR4.9%で堅調に推移すると見られています。また、その他のセグメントの市場シェアは、同期間CAGR4.3%で成長すると予測されています。

グレード別に、市場は、高純度グレード、炭化水素樹脂グレード、ポリエステルグレード(UPR)、その他のグレードに分類されます。このうち、その他のグレードは、2022-2030年の間CAGR4.2%で成長すると見られています。

地域別に、中南米市場が、2022-2030年の間CAGR 4.9%で成長すると予想されています。一方、中東・アフリカ市場は、同地域における建設活動の増加により、今後飛躍的に発展すると期待されています。

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