臨床試験市場、第I相セグメントが2021年に84億5,010万米ドル超の売上高に

臨床試験市場は、CROへの臨床試験委託の増加により、2030年末までに大幅な成長が見込まれています。また、慢性疾患の増加による研究開発の活発化が、今後の市場成長をさらに押し上げると思われます。

COVID-19パンデミック時には、医療分野における移動の制限やさまざまな矛盾が、臨床試験市場成長の脅威となりました。多くの臨床試験プロジェクトが、COVID-19の影響を考慮して中止または延期されました。しかし、規制が緩和され、主要地域でCOVID-19の症例が減少していることは、市場のビジネスシナリオにとって好材料となっています。一方、臨床試験に対する政府の資金援助や補助金により、ヘルスケア企業は臨床試験をCROに委託するようになりました。

業界の主要企業は、競争環境における地位を向上させるために、新サービスの立ち上げや、提携・パートナーシップなどの成長戦略に注力しています。例えば、2021年2月、ライフサイエンス企業のLaboratory Corporation of America Holdingsとしても知られるLabCorpは、米国の総合研究機関であるCircuit Clinicalと協業し、十分な治療を受けていない患者に直接アクセスできる臨床試験を実現しました。この提携は、これまで顧みられなかった多くの患者に、臨床試験に参加する機会を提供することを目的としています。

他にも、2021年4月、臨床試験サービスプロバイダーであるBioclinicaは、グローバルな研究施設と臨床試験管理をバックアップするために、高度なソフトウェアと再編集・翻訳サービスを統合した新しい原資料管理ソリューションを導入しました。

また、2021年2月には、世界的な臨床研究機関であるICONが、市場の主要な参加者であるPRA Health Sciencesを約120億米ドルで買収しました。この取引により、効率的な臨床試験に重点を置く両社が統合されることとなりました。

臨床試験市場は、治療分野、フェーズ、試験デザイン、地域別に分類されています。臨床試験市場は、フェーズに基づき、第I相、第2相、第3相、第4相に分類されます。第I相セグメントは、2021年に84億5,010万米ドル超の売上高を占めました。

試験デザイン別に、市場は、拡大アクセス試験、介入試験、観察試験に分類されます。観察試験セグメントは、2021年に約20.7%の市場シェアを占めました。

治療分野別に、市場は、腫瘍、感染症、自己免疫疾患、眼科、循環器、皮膚科、その他に分類されています。眼科分野は、2030年末までに約53億1,990万米ドルの市場規模になると予想されています。

地域別に、2021年は、全体の売上高の3.9%以上を中南米市場が占めました。一方、中東・アフリカ市場は、2022-2030年の間CAGR6.6%の安定した成長率を示すと予測されます。

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