血栓除去装置:心血管血栓切除術セグメント、2021年の9億米ドルから2028年にかけて安定ペースで成長予測
血栓除去装置市場は、心血管疾患の有病率が高まっていることから、2028年まで顕著な成長を遂げると予測されます。近年では、主要地域の業界プレーヤーによるイニシアチブの増加が、市場の成長を著しく増大させています。例えば、2022年3月、主要医療機器企業であるMedtronicは、PRAAN(Prospective Registry for Assessment of Acute Ischemic Stroke Patients Treated with Neurothrombectomy Devices in India)と呼ばれるインド初の専用臨床レジストリを立ち上げ、血行再建デバイスで治療された患者の臨床転帰を調べることで、血栓除去術の研究とイノベーションの推進に貢献しています。
血栓除去装置市場は、製品タイプ、用途、最終用途、地域に基づいて分類されています。製品タイプ別に、市場は、ステントリトリーバー、超音波支援血栓除去装置、機械的/断片化血栓除去装置、マイクロカテーテル、血栓抽出カテーテル、回転血栓除去装置、吸引血栓除去装置、その他に細分化されています。
このうち、超音波支援セグメントは、2022年から2028年にかけてCAGR 6.5%を記録し、中リスクの患者におけるデバイスの有効性の向上と製品技術の進歩によって、同市場の成長が推し進められるものと考えられます。
用途別に、市場は、心臓血管血栓除去術、末梢血栓除去術、神経血管血栓除去術に分類されています。心血管血栓切除術セグメントは、2021年の約9億米ドルから2028年にかけて安定したペースで成長すると予測されます。血栓除去装置の治療用途の拡大と相まって、低侵襲処置に対する消費者の嗜好が、製品の取り込みを促進する可能性が高いと思われます。
エンドユーザー別に、市場は、病院、外来手術センター、その他に二分されます。2021年、病院セグメントの売上高は7億2,000万米ドルを超え、大きな成長を記録すると思われます。また、熟練労働者の増加や高度医療機器の導入急増も、今後、市場の成長を後押しするとみられています。
地域別に、中南米地域は、2022年から2028年にかけてCAGR6.1%で成長すると予測されています。主要な市場参加者がラテンアメリカの新興市場でのアクセス強化に注力していることに加え、心血管疾患や関連治療に関する意識の高まりが、地域の市場発展を促進すると推測されます。
ボリビア、コスタリカ、エクアドル、コロンビア、アルゼンチン、キューバ、ブラジル、エルサルバドル、ドミニカ共和国、チリなどの中南米諸国は、PAHO(汎米保健機構)やその他の保健省が主導する世界的に認められたHEARTSイニシアチブに加盟しています。このイニシアチブでは、医療提供体制が大幅に改善され、心血管疾患に対する認識が広まることが想定されます。このような政府による施策は、将来的に地域の市場成長を促進するものと考えられます。