乳がん治療における化学療法の市場規模、2028年に40億米ドル到達予測

乳がん治療薬の市場シェアは、世界中で乳がん患者が急増していることから、2028年までに急拡大すると予測されています。さらに、中南米などの低・中所得地域における有病率の増加も、今後数年間における市場の推進要因になると考えられます。

IARC(国際がん研究機関)の最新の統計によると、世界で最も一般的ながんとして、乳がんが、肺がんを抜いて1位になったと発表されました。

一般的なイメージとは異なり、乳がんは男性にも発生する可能性がありますが、女性の発生確率の方が、男性よりもはるかに高いと言われています。がん研究会によると、女性の約8人に1人、男性の約1000人に1人が、浸潤性乳がんを発症する可能性があると言われています。

COVID-19パンデミックは、十分ながん治療が受けられないという問題を引き起こし、特に低・中所得国で深刻化しています。2020年のWHOの調査では、パンデミックのピーク時には、調査対象国の40%以上で、がん治療が著しく制限されたことが報告されています。

一方で、ワクチン接種の成功により病院の受け入れがパンデミック前の水準に回復していることから、がん治療薬市場は顕著なペースで回復することが期待できます。乳がん治療薬市場は、製品別と地域別に分類されます。

製品別には、市場は、ホルモン療法、標的療法、免疫療法、化学療法に細分されます。このうち、化学療法セグメントは、2028年までに40億米ドル以上の評価額に達し、大幅な成長を示すことが予測されています。これは主に、化学療法に対する患者の嗜好の高さや、新製品の上市などによるものです。

また、免疫療法分野も大きな成長が見込まれています。乳がんは免疫学的に「冷たい」がんであるため、以前は免疫療法による治療が困難とされていました。しかし、最近の臨床研究や新薬の発見により、免疫療法は多くの乳がん患者の治療成績を向上させる可能性を持っていることが明らかになりました。

地域別では、市場は、中東・アフリカ地域で顕著な成長を示すと予想されます。同地域の市場規模は、2021年に6億3,100万米ドル超と評価され、乳がんの高い発生率により、著しい成長を示すことが予測されます。

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