油脂市場、2021年~2028年のCAGRは4.08%で拡大予測

油脂の世界市場は、2021年から2028年にかけて年平均成長率4.08%で拡大する見通しです。

油脂はトリアシルグリセロールとも呼ばれ、3つの脂肪酸を含むグリセロールのエステルで、植物や動物に自然に由来するものです。必須脂肪酸(EFA)を多く含み、臓器の保温やエネルギー補給、ビタミンA、K、D、Eを血液で運ぶなど、健康的な食生活に欠かせない成分です。食品の食感や風味を向上させるために、食品・飲料産業で多く利用されています。飼料、バイオディーゼル、油脂化学品、医薬品の製造にも使用されています。産業以外では、植物油脂は石鹸、塗料、洗剤、油脂化学品、バイオディーゼルなどの産業用途にも徐々に利用されるようになってきています。

市場動向

加工食品の摂取量の増加が市場成長の原動力となる見込み

加工食品の摂取量の増加は、今後数年間における世界の油脂市場の成長を促進する主要な要因の1つとなっています。化石燃料による環境への影響を軽減するための政府の奨励政策や、バイオディーゼルの利用を支援することも、市場成長の積極的な動機付けとなっています。塗料、石鹸、ワニス、潤滑剤、洗剤の製造において、石油化学製品よりも油脂化学製品への傾倒が高まっていることも、市場の成長に拍車をかけています。植物油の生産と使用を奨励するために、政府によってかなりの数のイニシアチブが開発され、市場の成長をもたらしています。再生可能エネルギー指令は、欧州連合のバイオ燃料用植物油の使用(RED)に大きな影響を及ぼしています。2009年に誕生したこの指令は、2020年までに道路・鉄道輸送における総エネルギー消費量の10%を再生可能エネルギーが占めることを目標としています。

この目標は、EU加盟国(国)が、その国の規制や混合義務などのインセンティブを利用して実施する必要があります。パーム油は、EUにおけるバイオディーゼル(脂肪酸メチルエステル)および再生可能ディーゼル(植物油を水処理したもの)の生産量の約20%を占めています。ディーゼル代替燃料を生産するためのその他の重要な原料は、食用油にも使用される菜種と動物性油脂です。

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