黄斑変性症治療の市場、2021-2028年に年平均成長率6.1%へ到達予測

黄斑変性症治療の市場は、予測期間の2021-2028年に年平均成長率6.1%で到達すると予測されています。

黄斑変性症は、網膜の中心部(黄斑部)に影響を与え、中心視力の歪みや喪失をもたらす疾患です。ドライ型黄斑変性症では、網膜の中心部が劣化します。湿性黄斑変性症では、網膜の下に漏れた血管が伸びてきます。治療法は症状によって異なります。ビタミンとミネラルの特別な組み合わせ(AREDS処方)により、病気の進行を抑えることができます。また、手術が選択されることもあります。

市場関係者によるドライ型黄斑変性症治療薬の臨床試験の活発化が、市場成長の原動力になると予想されます。

Novartis AGは2021年1月、新生血管加齢黄斑変性症の患者を対象に、ブロルシズマブの有効性と安全性を評価する第III相臨床試験を開始しました。さらに、もう一つの注射薬であるグレイバグビジョン社のスニチニブは、患者に治療間隔を6ヶ月間持続させる可能性を持っています。スニチニブは、第2B相臨床試験に入ったばかりです。実用化にはまだ3〜5年かかるとされています。

さらに眼球に薬剤を届ける新しい方法も、予測期間中に市場を牽引すると期待される要因の一つです。例えば抗VEGF薬であるルセンティスは、ポートデリバリーシステム(PDS)という小型の詰め替え器具に収納されています。外科手術の際、米粒ほどの大きさのこのポートを、まぶたのすぐ裏側の眼球壁に挿入します。時間が経つにつれて、このガジェットは目の奥に薬を浸透させます。患者は、6~8週間ごとの注射の代わりに、年に1~2回、医師の診察で補充を受けることができます。補充には専用の注射針が使われます。最新の研究によると、この方法で治療を受けた人の多くは、15ヵ月間治療を受けずに過ごすことができます。

抑制要因

発展途上国における高い医療、治療費、加齢黄斑変性(AMD)に対する認知度の低さなどが、予測期間中に市場が阻害される要因として挙げられます。

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