月経困難症:喫煙、アルコール摂取、過体重または肥満、性的虐待、低体格指数などの危険因子がリスクを増大

医学用語では生理痛を伴うものを「月経困難症」と表現していますが、簡単には「月経痛」と呼ばれています。月経困難症は2つのタイプに分類されます。一次性月経困難症と二次性月経困難症です。一次性月経困難症は、月経の正常な過程に関連した一般的な月経痛です。これらの月経痛は再発するもので、他の病気によるものではありません。痛みは軽度のものから重度のものまであり、通常12時間から72時間持続し、吐き気と嘔吐、疲労感、さらには下痢を伴うことがあります。一方、二次性月経困難症では、痛みは女性の生殖器の障害によって引き起こされます。通常、この痛みは月経周期の早い時期に始まり、一般的な月経痛よりも長く続きます。一次性の月経困難症とは異なり、このタイプの痛みは通常、吐き気、嘔吐、疲労、下痢を伴いません。二次性月経困難症の最も一般的な原因は子宮内膜症です。

月経困難症はすべての年齢および地域の女性によくみられますが、喫煙、月経周期中のアルコール摂取、過体重または肥満、性的虐待、低体格指数などの危険因子がリスクを増大させます。

月経困難症の診断

月経困難症の診断は、医師が患者の月経歴と家族歴を分析し、必要に応じてMRI、超音波検査、腹腔鏡検査などの検査で行います。

月経困難症の治療

治療パターンは大きく分けて3つあり、薬物療法、手術、非薬物療法に分けられます。薬物療法では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ホルモン性避妊薬、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)類似体などを使用します。一方、現在使用されている非薬理学的治療には、経皮的電気神経刺激(TENS)および支持療法の使用が含まれています。

国別月経困難症の疫学

月経困難症市場は、地域別に米国、EU-5(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、イギリス)、日本に分類されます。これら主要7地域における2017年の月経困難症の有病者数は1億3452万4953人でした。このうち、米国の有病者数は、主要7地域諸国の中で最も多い5867万651人に上ります。

EU-5カ国の中で、月経困難症の症例数が最も多かったのはドイツで、2017年の症例数は1312万2996件です。これは、2030年まで増加すると推定されています。一方、スペインでは有病者数が最も少なく、2017年の症例数は44万5364例でした。

日本は2017年の一次性および二次性月経困難症の症例数がそれぞれ1844万2399例と241万771例でした。

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