多発性骨髄腫:米国では2番目に多い血液癌、新しい治療法の開発と承認により生存率が向上

多発性骨髄腫の概要

一般的に、形質細胞が癌化して制御不能になり増殖することを多発性骨髄腫といいます。この形質細胞は、モノクローナル免疫グロブリン、モノクローナルタンパク質(Mタンパク質)、Mスパイク、パラタンパク質など、いくつかの異なる名前で知られる異常なタンパク質(抗体)を作ります。正常な血漿細胞は骨髄に存在し、免疫系の重要な部分を担っています。多発性骨髄腫は、米国では非ホジキンリンパ腫に次いで2番目に多い血液がんです。また、女性に比べてわずかに男性に多くみられます。

骨髄腫の発生は年齢との関連性が高く、発生率が最も高いのは65歳から74歳の高齢者です。症例の約95%は遠隔期または転移期と診断され、この期の5年相対生存率は約53%です。研究者の多くは、多発性骨髄腫の正確な原因を把握していません。しかし、DNAの変化がどのようにして形質細胞を癌化させるのかという研究は進んでいます。DNAは、細胞が体内で行うほぼすべての指示を伝達する化学物質です。病状が進行中の患者は、症状を軽減、もしくは緩和して、骨髄内の骨髄腫細胞の数を減らすための治療を受けることになります。

多発性骨髄腫の診断

多発性骨髄腫は、多くの場合、検査、患者の症状、および医師による診察に基づいて診断されます。多発性骨髄腫の診断には、以下の項目が参照されます。

生検で確認される血漿細胞腫瘍、少なくとも10%の血漿細胞が骨髄に存在する、血中カルシウム値が高い、腎機能の低下、赤血球が少ない(貧血)、CT、MRI、PETスキャンなどの画像検査で発見された骨にできた腫瘍の穴、1種類の血液中軽鎖が他の種類の100倍で増殖する、骨髄内の血漿細胞が60%以上、などがあります。

多発性骨髄腫の治療

主な治療法としては、幹細胞移植、化学療法、標的治療、コルチコステロイド、プロテアソーム阻害剤、免疫調節剤、モノクローナル抗体、手術、放射線療法などがあります。また、新しい治療法の開発と承認により、骨髄腫患者の生存率も向上しています。多発性骨髄腫の治療戦略もまた、新しい治療法の出現や、処方の併用に伴って進化しています。

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