貴金属市場、2028年に4,153億米ドル規模に到達する見込み

市場の動向

貴金属の市場規模は、2021年に2,405億米ドルとなり、2028年末には約4,153億米ドルに達し、予測期間中にCAGRで8.1%の成長が予測されています。中国、インド、その他の南アジア諸国における投資家の貯蓄意欲と貴金属の価値の成長への関心が高まっていること、可処分所得の増加、ライフスタイルの好みの変化や結婚式での宝石の広範な使用などの要因が、促進要因として挙げられます。また、これらの金属は自動車の排ガス浄化用途にも需要が高く、市場拡大に拍車をかけています。

しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大とそれに伴うロックダウンの影響で供給網は寸断され、複数の生産拠点が停止し、サプライチェーンに影響を与えました。一方、目まぐるしく変化する市況を生き抜くための手段として、貴金属への投資は活発になっています。

環境への関心の高まりも市場の成長要因

人々のライフスタイルの変化と可処分所得の増加が市場成長の原動力となっています。また、環境への関心の高まりにより、さまざまな産業分野の有名企業が、ペースメーカーや人工内耳の製造に利用できる貴金属のリサイクルに投資しています。さらに、多くの国の政府が厳しい排ガス規制を設ける中、一部の貴金属は自動車の排ガス浄化の目的で使用されており、市場の拡大に寄与しています。

課題は価格の乱高下

貴金属投資のデメリットとともに、投資家が注意すべきリスクも存在します。主な変動要因の一つは価格です。経済の変化、中央銀行の政策、投資家の需要、鉱業供給、インフレなど数多くの変数が貴金属価格に影響を与える可能性があります。貴金属にはキャッシュフローがないため、人は利益を得ることができません。貴金属を所有する場合、投資額には保管料も含まれます。さらに、宝石やその他の有形金製品は、その大きな価値と費用のために、常に盗難の危険にさらされています。

本記事に関するお問い合わせ先:株式会社グローバルインフォメーション
お問い合わせフォーム:www.gii.co.jp/form/inquiry
お電話:044-952-0102
受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]