動力農業機械の市場規模、2025年に700億300万米ドルに成長予測 人口や可処分所得の増加により、アジア太平洋・日本地域の販売量が最大を記録

動力農業機械の市場規模は、2019年の631億7000万米ドルから2025年には700億3000万米ドルに成長すると予測されています。各国の政府の間で、農産物を増やす必要性に対する意識が高まっており、市場を牽引すると予想されています。市場の成長により、食糧安全保障への懸念の解決が期待されています。そして、政府や利害関係者による投資や貿易政策などの取り組みは急増しており、市場の成長を後押ししています。

動力農業機械は、トラクター、噴霧機、種まき機、コンバイン、そしてベーラーや耕うん機などの機器による、幅広いソリューションで構成されています。市場では農業用トラクターが最大のシェアを占めており、次いでコンバイン、種まき機、噴霧機の順になります。農家の間では生産量、作業効率、土壌肥沃度、収益性の向上を目的とした導入が増加しています。

COVID-19の農業機械市場への影響

COVID-19パンデミックにおいて、農業機械業界は、メンテナンスサポートや必要な機器の提供により、食品バリューチェーンの架け橋として重要な役割を果たしています。COVID-19の大流行によりサプライチェーンが寸断されることで、企業は地産地消という新たな戦略に注力しています。この現地化により、2020年12月から2021年第3四半期まで市場は成長すると予想されています。さらに、2022年第3四半期から第4四半期までに、市場は通常の状態に戻ると予想されています。一方、最大のトラクター市場であるインドでは、2020年は19%の落ち込みが予想されています。

競合環境

市場で事業を展開している主要プレーヤーは、自社の既存製品や新製品、技術についての認知度を高め、競合他社の製品ポートフォリオに対抗するために、製品発表活動を大幅に強化しています。例えば、2019年10月には、Deere & Companyが8Rホイールトラクター、8RT 2トラックトラクター、業界初の固定フレーム4トラックトラクターである8RXを発売しました。2019年、クボタは高馬力モデルを搭載した新シリーズのトラクターを発売しました。この発売により、北米トラクター市場での同社のビジネスが加速することが期待されています。また、市場の拡大に向けて、パートナーシップやコラボレーション戦略が大きく採用されています。

地域別市場

2019年には、アジア太平洋・日本地域が動力農業機械の販売量で最大を記録し、中国、北米がこれに続きました。アジア太平洋・日本地域の高い人口増加率、可処分所得の増加、都市化の進展などの傾向は、同地域の消費パターンに強い変化をもたらしています。そのため、アジア太平洋・日本地域の農家は、需要の増加に対応するために、作物の収穫量を増やし、農産物を一年中供給することに注力しています。

アジア太平洋地域と日本地域では、COVID-19のパンデミックの影響で、2020年の動力農業機械市場の販売台数は減少しました。COVID-19パンデミック後のアジア太平洋・日本地域は、都市人口の増加、インターネット農法の市場への浸透、政府の有利な投資の増加により、高い市場成長機会が予想されています。政府、コンソーシアム、協会、国連などの世界的な組織はすべて、COVID-19の農業への影響を緩和するための継続的な取り組みを行っています。

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