金属3Dプリントの市場規模、2019年から2025年には推定CAGR 24.41%で成長 COVID-19パンデミック時には、人工呼吸器の部品など、必須アイテムの開発に尽力

金属3Dプリント市場では、航空宇宙・防衛、ヘルスケア分野での採用が拡大しています。航空宇宙・防衛分野では、金属3Dプリントの技術を利用して、高性能ガスタービンエンジンやその構造部品の開発に取り組んできました。ヘルスケア分野では、インプラントの開発にその技術が利用されています。COVID-19パンデミックの際には、人工呼吸器の部品など、健康関連機器の開発に力を発揮しています。

3Dプリントが可能な金属・合金の中で、アルミニウム合金は、強度対重量比、耐食性、疲労強度、加工率の高さから、最大の市場シェアを誇っています。また、アルミニウム合金はニッケルやチタン合金に比べて経済的です。

成長率の面では、チタン合金は最速で成長すると予想されています。これは主に航空宇宙・防衛およびヘルスケア分野での採用が増加していることに起因しています。

金属3Dプリントに採用されている様々な技術の中で、経済面とその取り扱いの容易さにより、粉末ベッドフュージョンが市場を支配すると予測されています。また、このプロセスで製作された金属製品は、高い寸法精度を持つことが期待されています。

金属原料の形態では、粉末ベースの原料が市場を支配すると予想されます。

金属3Dプリントに対する需要の高まりとは別に、市場の成長を阻害する要因がいくつかあります。金属粉末と業界グレードの3Dプリンターの高コスト、強度の低下、残留応力とクラック、熱の蓄積と酸化、表面仕上げ、多孔性、精度などです。

金属3Dプリントの市場規模は、2019年の3億7780万米ドルから2025年には7億3880万米ドルに達し、CAGR 24.41%で成長すると予測されています。この成長は、航空宇宙・防衛・ヘルスケア分野に向けた技術の採用に起因しています。COVID-19の世界的危機の際には、人工呼吸器の部品やコロナウイルスをわずか5時間で99.6%まで死滅させることができる銅製のドアハンドルなどの健康関連の必須アイテムを自社で開発した事例からも、市場の成長が期待されています。

金属3Dプリント技術は、サプライチェーンに依存することなく、複雑な金属製の物体を高い寸法精度で短時間に製作する能力を持っています。その結果、コストに縛られない、高品質な製品の開発を重視する分野で採用が増えています。中でも、航空宇宙、防衛、ヘルスケア分野は高い採用率を示しており、既存市場のプレーヤーと新規参入者の両方に市場機会を提供しています。今後は、世界中の優れた顧客基盤を構築するために、プレーヤー自らによる、さまざまなビジネス活動が期待されています。

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