人工呼吸器、COVID-19の影響で市場規模が急拡大 麻酔ガス装置、CPAPなど、代替人工呼吸器として認可進むも、さらに8万5000台の不足

人工呼吸器市場は、COVID-19の影響で市場規模が急激に拡大しています。2018年度の市場全体の規模は10億7200万米ドルと推定され、以前のシナリオではCAGR7.1%の成長が見込まれていました。しかし、COVID-19パンデミック後、人工呼吸器の需要が大幅に増加し、2020年には最大172%の成長率が予測されています。一度撤退したヘルスケア企業や新興の非ヘルスケア企業を含め、現在45社以上の企業がこの市場で事業を展開しています。人工呼吸器の設置台数が最も多いのは米国で、次いで中国、インドの順になっています。このパンデミックに対応するためには、さらに8万5000台の人工呼吸器が必要とされています。この世界的な人工呼吸器の需給不足は、市場のダイナミクスに大きな変化をもたらしています。

さらに、この需要に対応するために、食品医薬品局(FDA)、カナダ保健省(Health Canada)、治療品管理局(TGA)など、さまざまな地域の規制機関が前例のない措置を講じてきました。例えば、2020年3月にFDAはCOVID-19パンデミックを公的緊急事態と宣言し、緊急使用承認(EUA)のもと、麻酔ガス装置、持続的気道陽圧(CPAP)、睡眠時無呼吸装置などを、代替人工呼吸器として認可しました。さらに、2020年4月に、TGAは代替人工呼吸器として使用される医療機器が満たすべき最低要件を発表しました。

ヘルスケア専門家は、規制上および産業上の決定が世界の人工呼吸器市場に与える影響を継続的に分析しています。呼吸器疾患の罹患率の上昇、早産率の高さ、高齢者人口における救急医療の需要の増加、人工呼吸器の生産を高めるための政府の取り組みなどが市場の成長を後押ししています。

低コストの人工呼吸器製品の開発、および人工呼吸器の生産を拡大するためのヘルスケア企業と非ヘルスケア企業間のパートナーシップが人工呼吸器市場を支えています。

同市場は、製品タイプ、モダリティ、患者の年齢、エンドユーザー、地域分析に基づいて分類されており、得られた一次データと二次データの分析を使用して、数年間の市場のスナップショット、市場収益の傾向、基礎となるパターン、およびトレンドが予測されています。

本記事に関するお問い合わせ先:株式会社グローバルインフォメーション
お問い合わせフォーム:www.gii.co.jp/form/inquiry
お電話:044-952-0102
受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]