脳疾患モダリティおよびソフトウェア市場、2031年に218億6,760万米ドル規模到達見込み

市場の概要

脳画像診断モダリティには、MRIやCTスキャンなどの従来型モダリティと、PETやPETとMRIやCTとの複合機能など、より新しい画像診断技術が含まれます。MRIは古くから使用されてきた技術ですが、拡散テンソル画像(DTI)、拡散強調画像(DWI)、帯磁率強調画像(SWI)、動的帯磁率コントラスト(DSC)画像などの様々な高度MRI技術は、北米や欧州などの地域でより広く使用されるようになってきています。

脳イメージングソフトウェアは、これらのモダリティで得られたスキャン画像に、定量的な解析という点で付加価値を与えてくれます。脳の構造、バイオマーカー、その他の微細な異常を定量的に把握することは、神経疾患のより正確な診断に役立つ貴重なツールです。

世界の脳疾患モダリティおよびソフトウェア市場は、2021年に130億5,570万米ドル規模に達しました。2022年から2031年までの予測期間において、市場は5.31%のCAGRで成長し、2031年には218億6,760万米ドル規模に達すると予測されています。

市場の促進要因

神経疾患の有病率の増加、医療用画像処理分野におけるAI統合の高まり、医療用画像処理におけるより安全で非侵襲的なデバイスの需要の増加などの要因が市場を牽引しています。

診断だけでなく治療においても、侵襲的モードから低侵襲的モードへの患者の志向のパラダイムシフトが起きています。非侵襲的な医療用画像診断として、MRI、CT、PET-CTスキャンが普及しており、身体の3次元画像を生成して病気の診断に役立っています。また、放射線を最小限に抑えた安全な画像診断技術へのニーズが高まっています。

市場の制約要因

市場の成長を阻害する要因として、画像診断装置の初期コストの高さやヘリウムの入手難が挙げられます。MRI、CT、PET-CTスキャナーなどの医療用画像診断のためのハードウェアは、資本集約的な装置であり、初期コストが高いというデメリットがあります。中南米や中東・アフリカなどの新興国においては、価格が手ごろでないことが市場の成長を抑制する大きな要因となっています。これらの画像診断装置は高価であるため、新興国では国民全体が利用しやすい環境が整っているとはいえません。その結果、低・中所得層の人々は通常、神経障害を診断するための予備的な方法として、血液バイオマーカー検査や認知スコアリング検査などの代替臨床検査に頼っているのが現状です。

さらに、世界的なヘリウムの不足は、医療分野における医療用画像診断の分野に特に影響を及ぼしています。MRIスキャナーには十分な量の液体ヘリウムが必要であり、これが不足するとスキャナーの機能が損なわれます。したがって、過冷却液体ヘリウムの調達に関連して医療用画像診断装置のメーカーが直面する課題は、装置の円滑な機能に直接影響を及ぼし、市場の成長を阻害しています。

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