体外受精市場、2020年から2030年にCAGR9.37%で成長見込み

市場概要

不妊症は世界的に深刻な健康問題であり、世界のカップルの約8%~10%が罹患しています。CDC(2013年)およびOffice on Women’s Health(2019年)の報告によると、米国では15歳から44歳の男性の約9%、女性の約10%が不妊症の問題を報告しており、Reproductive Biological Endocrinology(2015年)の報告によると、世界では約4,850万組のカップルが不妊症を経験しているとされています。これらの問題に対応するため、世界各国では出生率の向上に努めており、生殖補助技術(ART)の導入が盛んに行われています。ARTは、精子や卵子を体外で操作することにより、不妊症を治療する最先端の技術です。

体外受精(IVF)市場は、女性の排卵プロセスのモニタリングと刺激から、最終的に卵管に胚を着床させて妊娠を成立させるまでの一連の手順を実行するためのシステム、媒体、試薬、医薬品で構成されています。初産年齢の上昇など、ライフスタイルの変化に伴う不妊症の増加は、体外受精市場の成長に大きく寄与しています。

体外受精は最も急速に進化している技術の一つであり、2020年から2030年の予測期間において、体外受精市場は9.37%のCAGRで成長すると予想されます。遅発性妊娠の増加、都市部でのライフスタイルの変化、親になる年齢の上昇などが、体外受精市場の成長を後押ししています。

体外受精(IVF)市場は、The Cooper Companies Inc.、Vitrolife AB、Cook Medical、Merck KGaA、Fujifilm Holdings Corporationなどの企業によって大きく占められています。出生率の低下、都市部でのライフスタイルの変化、親になる年齢の上昇などが、体外受精市場の成長を促す主な要因になると予想されます。不妊治療を奨励する政府の資金援助に加えて、ART分野における産業革命と技術の進歩が、2020年から2030年の予測期間中に市場の成長をさらに加速させると予想されます。

地域別に見ると、2019年の体外受精市場では、ヨーロッパが圧倒的なシェアを占めています。低出生率と柔軟な政府規制が、欧州における体外受精市場の成長に寄与している2つの顕著な要因です。アジア太平洋地域では、中国、日本、インド、オーストラリア、ニュージーランドが、同地域の他の国と比較して最も高い収益を上げている上位5カ国となっています。

競争状況

体外受精(IVF)市場は、サプライヤーやサービスプロバイダーに分散しています。Cooper Surgical社、Vitrolife AB社、Merck KGaA社、Cook Medical社などがこの市場の主要サプライヤーです。サービスプロバイダーでは、Progyny、Natera、Invitae Corp.などの企業が、体外受精の診断・検査サービスを提供する主要なサービスプロバイダーとなっています。 体外受精市場は現在、Cooper Companies, Inc.が独占しており、Vitrolife ABがそれに続いています。Cooper Companies, Inc.が市場を支配しているのは、培地、試薬、消耗品の各分野で豊富な製品を提供していることに起因しています。Merck KGaAは、消耗品(培地、キット、アクセサリーを含む)やシステムなど、多様な製品を提供していることから、第3位のシェアを占めています。

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