心臓外科用装置市場、2030年に31億米ドル規模到達見込み

心臓外科用装置の市場概要

世界の心臓外科用装置市場は、2020年に22億米ドルの規模に達しました。2021年から2030年にかけて、市場は3.3%のCAGRで成長し、2030年には31億米ドル規模に達すると予想されています。

心臓手術とは、病気の心臓弁の交換(閉塞している場合)、移植、心臓組織が損傷した場合の交換など、心臓組織の不具合を治療するために行われる手術のことを指します。心臓手術には、大きく分けて閉鎖式と開心術の2種類があります。心臓外科用装置は、心臓弁膜症や先天性心疾患などの心臓の合併症の治療に使用されます。心臓外科用装置は、世界中の心臓病や心臓関連疾患の診断と治療に利用されています。心臓血管疾患(CVD)は、世界の医療分野で最も一般的な痛みの原因の一つとなっています。また、心臓外科用装置は、損傷したり詰まったりした弁や動脈など、心血管系の機能障害の治癒を促進します。さらに、脳卒中や虚血性心疾患(IHD)などの疾患は死亡や身体障害の原因となるリスクがあることから、心臓外科用装置および心臓関連疾患の治療の重要性は、近年急速に高まっています。

市場の成長要因及び制約要因

心臓疾患、糖尿病、生活習慣病の有病率の増加は、心臓外科用装置市場の主要な成長要因となっています。また、合併症の増加、座りがちなライフスタイルの普及、ヘビースモーカーや肥満者の増加、高齢者人口の急拡大は、市場の成長をさらに後押ししています。また、平均寿命の上昇に伴う心臓疾患に関する緊急治療件数の増加が、予測期間における心臓外科用装置市場の成長を加速すると予想されます。しかし、心臓外科手術や後遺症に関連する治療費が高いことが、心臓外科用装置市場の制約要因となっています。

COVID-19の市場への影響

COVID-19の発生と感染拡大は、世界中の医療分野における業務プロセスを混乱させました。COVID-19パンデミックは、世界の心臓外科用装置市場の成長にマイナスの影響を及ぼしました。各国によるロックダウンの実施により、多くの心臓外科手術が遅延しました。

COVID-19パンデミックは、世界中の医療制度に悪影響を及ぼし、先進的な病院の必要性が高まりました。診断センターを含む世界の多くの病院は、増加の一途を辿るCOVID-19の陽性患者を収容するために再編成されました。このため、緊急性及び重要性が低い多くの外科手術が中止され、COVID-19以外の患者に対する医療の質が低下しました。このことが、世界の心臓外科用装置市場の成長を大きく阻害しています。

本記事に関するお問い合わせ先:株式会社グローバルインフォメーション
お問い合わせフォーム:www.gii.co.jp/form/inquiry
お電話:044-952-0102
受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]