海水淡水化装置市場、2030年に166億米ドル規模到達見込み

市場の概要

海水淡水化装置の世界市場は、2020年に69億米ドル規模に達しました。2021年から2030年にかけて市場は9.2%のCAGRで成長し、2030年には166億米ドル規模に達すると予測されています。

海水淡水化装置は、汽水や海水などの水源から溶融塩やさまざまなミネラル分を除去し、真水や飲料水に変換します。海水淡水化技術は、既存の水資源をすぐに使える飲料水に変えるために自治体で利用されています。また、化学、鉱業、石油・ガス産業では、プロセスに真水を使用しています。

市場の動向

水不足の深刻化と淡水資源の急速な枯渇は、世界の海水淡水化装置市場の成長を推進する二つの主な要因です。乾燥地域では、河川や湖沼などの地表水の供給源がないため、淡水資源が不足しています。また、世界の人口増加に伴い、水の需要も増加しており、市場の拡大が見込まれています。さらに、気象パターンの変化、森林伐採、汚染の増加などの環境条件の悪化により、世界各地で水不足や干ばつのような状況が発生しています。これらの要因が、世界の海水淡水化装置市場の成長を後押しすると考えられています。

主要な市場区分

海水淡水化装置市場は、技術、水源、用途、地域に基づいて区分されています。技術別では、逆浸透膜、多段フラッシュ(MSF)蒸留、多重効用蒸留(MED)、その他に分けられます。水源別では、海水、汽水、河川水、その他に分類されています。用途別では、自治体、産業、その他に分類されます。地域別では、北米、欧州、アジア太平洋、LAMEAに区分されています。

主要な市場区分:技術別

技術別では、逆浸透膜が市場をリードし、2020年の世界売上高の69.1%を占めています。逆浸透(RO)では、塩分を含んだ水を、塩の分子をろ過する半透膜に通すことで、水から塩分を取り除き、真水を生成します。

主要な市場区分:水源別

ソース別では、海水が市場をリードし、2020年の世界売上高の59.0%を占めています。様々な干ばつ地域では、湖や川などの様々な水源がないため、きれいな水を求める声が高まっています。海水淡水化装置市場は、このような地域での需要の高まりと、淡水の埋蔵量の不足によって成長しています。

主要な市場区分:用途別

用途別に見ると、2020年の海水淡水化装置市場では、自治体セグメントが約54.8%のシェアを占めています。世界各地での都市インフラの拡大により、水や電気などの資源が逼迫しています。

主要な市場区分:地域別

地域別では、LAMEAが予測期間中に9.8%のCAGRを示すと予想されています。人口増加、急速な都市化、工業化の進展、大規模な農業開発により、この地域の既存の水資源は逼迫しています。

市場の競合状況

海水淡水化装置の世界市場における主要な企業としては、Acciona SA、Biwater、Cadagua、Degremont Sas、Genesis Water Technologies、IDE Technologies、Pure Aqua, Inc.、Koch Membrane Systems、Right Water Solutions、Veoliaなどが挙げられます。

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